「君たちはどう生きるか」の声優一覧とキャラ解説【山時聡真・菅田将暉】

スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿監督が10年ぶりに手がけたファンタジー冒険活劇です。

本作では、山時聡真や菅田将暉をはじめとする超豪華キャストが集結し、個性的で心に残るキャラクターたちに命を吹き込んでいます。

この記事では、映画『君たちはどう生きるか』の声優一覧とキャラクターの特徴、物語における役割をわかりやすく紹介します。

観賞後の振り返りや、鑑賞前にどんな物語が展開されるのかを深掘りしたい方にもおすすめの内容です。

『君たちはどう生きるか』の主要キャラと声優を一覧でチェック！

物語の核心を担う主要キャラクターたちは、いずれも個性的で印象的な存在ばかりです。

そのキャラクターたちに命を吹き込んだのは、実力派かつ多彩な顔ぶれの豪華声優陣。

ここでは、主人公から物語を動かすキーパーソンまで、注目すべきキャラとその声を担当した俳優陣を紹介します。

主人公・牧眞人（声：山時聡真）

本作の中心にいるのが、11歳の少年・牧眞人（まひと）。

太平洋戦争中に母を火災で失い、父と共に疎開先で新たな生活を始める少年です。

繊細で無口、そして深い悲しみを内に秘めながらも、周囲の人々と距離を取りながら自分の心の葛藤と向き合っています。

演じたのは、若手俳優の山時聡真さん。

初々しさと感情の機微を丁寧に表現し、眞人の成長や心の揺らぎをリアルに伝えています。

謎の青サギ／サギ男（声：菅田将暉）

物語の謎を象徴する存在として登場するのが、人語を話す青サギです。

眞人に「母が生きている」と囁き、現実と異世界をつなぐ重要な鍵となります。

その正体は、禿頭で奇妙な顔をしたサギ男で、ユーモアと不気味さが同居するキャラクターです。

声を務めたのは菅田将暉さん。

その自在な声色と独特の間合いで、キャラクターに命を吹き込み、時に親しみやすく、時に謎めいた存在感を放っています。

火を操る少女ヒミ（声：あいみょん）

眞人が異世界で出会う少女・ヒミは、火を自在に操る能力を持ち、彼の旅を支える仲間になります。

その正体は実は眞人の実母・ヒサコの少女時代であり、物語の核心に迫るキャラクターでもあります。

演じたのはアーティストのあいみょんさんで、今回が声優初挑戦ながら、ヒミの純粋さと強さ、そして不思議な魅力をしっかりと表現。

音楽活動で培われた感性が、声の表現にも活かされている印象を受けます。

継母・夏子（声：木村佳乃）と父・勝一（声：木村拓哉）

眞人の新しい母となる夏子は、亡き母ヒサコの妹で、瓜二つの容姿を持っています。

新たな家族として眞人と向き合おうとしますが、思春期の少年との関係に戸惑いながら、心を砕く存在です。

声を担当するのは、実力派女優の木村佳乃さん。

母性と葛藤を内包した夏子の心情を、柔らかく、時に鋭く表現しています。

一方、父の勝一を演じたのは木村拓哉さん。

軍需工場の経営者でありながら、眞人を心配する過保護な一面もある父親像を、どこか頑固で威厳ある声で演じきっています。

二人の存在が、眞人の心の成長にどう関わっていくかも、見どころの一つです。

物語を彩る脇役キャラも超個性的！

『君たちはどう生きるか』の魅力は、主要キャラだけにとどまりません。

個性豊かな脇役キャラたちが、作品世界に奥行きと深みを与えているのも大きな魅力のひとつです。

どのキャラクターも強烈な個性と存在感を放っており、見る者の記憶にしっかりと刻まれます。

ばあやたち（声：大竹しのぶ、竹下景子、風吹ジュンなど）

眞人が疎開した屋敷で暮らす、使用人の“ばあや”たちは、作品に温かさと不思議な懐かしさを与えてくれる存在です。

個性豊かな年配女性たちで、時に厳しく、時にユーモラスに眞人を見守ります。

キャストには、大竹しのぶ、竹下景子、風吹ジュンといったベテラン女優陣が揃い、それぞれの声がキャラに絶妙な味わいを添えています。

とくに「キリコばあや」は物語のキーを握る存在で、異世界にも「若いキリコ」として登場し、眞人を導く大切な役割を果たしています。

ワラワラ（声：滝沢カレン）と幻想世界の住人たち

ワラワラは「下の世界」に存在する、白く丸い小さな魂のような存在。

空へと飛び立ち「上の世界」、つまり現実世界に新しい命として生まれ変わるという設定が施されており、命の循環や世界の構造を象徴しています。

このワラワラに声をあてたのは、モデル・タレントとして活躍する滝沢カレンさん。

ほんわかした雰囲気ながら、どこか神秘的な存在感を放つ声の演技が非常に印象的です。

また、「下の世界」にはペリカンや巨大インコなど、異様ながらも魅力的な生物が次々と登場し、観客の想像力を刺激してくれます。

「下の世界」の統治者・大伯父（声：火野正平）

物語終盤で登場する「下の世界」の創造主にして管理者、それが大伯父です。

浮遊する石を使って世界のバランスを保ち続ける役目を果たしており、眞人にその後継者としての選択を迫ります。

声を務めたのは、ベテラン俳優・火野正平さん。

重厚感と哀愁が入り混じった語り口が、大伯父というキャラクターに哲学的な深みと不気味さを与えています。

彼の存在は「生きるとはどういうことか」という物語の根本的な問いかけともリンクしており、その言動ひとつひとつが観る者に余韻を残します。

インコ大王とその軍団（声：國村隼ほか）

『君たちはどう生きるか』の中で、インコたちはただの可愛らしい存在ではありません。

人間大のサイズで道具を操る知的な種族として描かれ、「下の世界」の脅威となる存在です。

その頂点に君臨するのがインコ大王（声：國村隼）。

王冠を被り威厳に満ちた姿は、どこか風刺的で、文明や支配欲の象徴ともとれるキャラクターです。

國村さんの深みのある声が、大王としての迫力と滑稽さを巧みに表現しており、ラストでの暴走もまた印象的な転換点となっています。

彼らインコたちが巻き起こす混乱や対立構造も、本作のテーマの一端を象徴しています。

キャラクターと声優の関係から読み解く『君たちはどう生きるか』の魅力

本作『君たちはどう生きるか』の魅力は、そのビジュアルや物語の奥深さだけにとどまりません。

キャラクターに命を吹き込む声優陣の存在が、この作品の感情の厚みや世界観のリアリティに大きく貢献しています。

ここでは、声優とキャラクターの関係性に注目しながら、演技がもたらす深みやキャスティングの意図について考察していきます。

声優の演技がキャラに与える深み

アニメーション作品において、声優の演技はキャラクターの内面を可視化する重要な手段です。

特に『君たちはどう生きるか』は、登場人物それぞれが心に複雑な感情や葛藤を抱えており、その繊細な心の動きを表現するには、演技力の高い声優が不可欠でした。

主人公・眞人を演じた山時聡真さんは、少年特有の不安定さと静かな強さを見事に表現。

泣きそうな声、怒りを堪える声、希望に触れたときの柔らかい声──その一つ一つが、眞人の成長物語にリアリティを与えています。

また、サギ男を演じた菅田将暉さんの演技は、とにかく幅が広い。

飄々とした口調から一転して真剣な語り口へ変化することで、サギ男の謎めいた本質や物語を導く存在としての重みが自然と伝わってきます。

あいみょんさん演じるヒミの透明感ある声も、幻想的な存在としてのリアリティを高めており、初挑戦とは思えない演技に多くの人が驚かされたのではないでしょうか。

キャスティングの意図を考察する

ジブリ作品では、時に声優ではなく俳優やミュージシャンを起用することで知られています。

今回もその例に漏れず、キャラクターの人物像と声をあてる俳優のイメージを重ねる形で、丁寧なキャスティングが行われている印象を受けます。

例えば、眞人の継母・夏子を演じる木村佳乃さんは、母性と気品を兼ね備えた雰囲気がそのまま夏子像とリンクしており、眞人との関係性にリアリティを与えています。

また、勝一役の木村拓哉さんは、威厳と父性を併せ持つキャラクターとしての存在感を十分に表現し、眞人の人生に影響を与える“父”として説得力のある演技を見せています。

そして見逃せないのが、大竹しのぶさんや國村隼さんといったベテラン勢。

彼らの熟練の技術は、物語の背景に重層的な深みを与える重要な要素であり、「ただの脇役」で終わらない存在感を放っています。

それぞれのキャラが持つ個性や立ち位置を理解し、それに合わせた声の演出がなされているからこそ、観客は彼らを“存在している人物”として自然に受け入れられるのです。

このように、『君たちはどう生きるか』のキャスティングは、作品の世界観を壊すことなくむしろ深化させる方向に働いており、声＝人物の印象として自然に馴染んでいるのが素晴らしい点です。

海外版吹き替えも豪華！英語版キャストを紹介

『君たちはどう生きるか』は日本国内だけでなく、海外でも高い評価を受けている作品です。

特に北米での公開時に話題となったのが、英語版の吹き替えキャストが超豪華だったこと。

オリジナルの雰囲気を壊すことなく、むしろ別の視点からこの物語を味わえるのが、吹き替え版の魅力でもあります。

ロバート・パティンソンやフローレンス・ピューなど

英語版キャストには、ハリウッドの第一線で活躍する俳優たちが勢ぞろいしました。

特に注目されたのは、サギ男役のロバート・パティンソン。

『トワイライト』シリーズで知られる彼ですが、今回はそのイメージとは一線を画し、ユーモラスかつミステリアスなキャラクターを見事に演じています。

日本語版で菅田将暉さんが見せた軽妙さと重厚さを、英語圏ならではの皮肉交じりな表現で再構築しており、思わず唸るクオリティです。

さらに、キリコ（若い姿）役にはフローレンス・ピューが起用されました。

彼女は『ミッドサマー』や『ブラック・ウィドウ』などで知られる実力派女優。

芯のある声と自然な演技で、キリコというキャラクターの強さと優しさを的確に表現しています。

このほかにも、マーク・ハミル（大伯父役）、クリスチャン・ベール（勝一役）、ジェンマ・チャン（夏子役）、ウィレム・デフォー（老ペリカン役）など、映画ファンなら誰もが知る名優たちが集結。

ジブリ作品がいかに世界中で愛されているかを物語るキャスティングといえるでしょう。

日英版キャストの演技の違いを楽しむ視点

日本語版と英語版、それぞれの演技を見比べてみると、興味深い違いが随所に見られます。

たとえば、眞人の繊細さや思春期特有の葛藤は、日本語版では静かに滲むように描かれているのに対し、英語版ではもう少しストレートに感情が表現されている印象です。

これは文化的な違いにも通じる部分で、日本語の「間」や「含み」を重視する演出と、英語の「明快さ」や「表現力」が、それぞれの言語特性として反映されています。

また、サギ男のキャラについても、菅田将暉さんの演技はどこか人間臭く、時に滑稽で、時に冷静。

対してロバート・パティンソンのサギ男は、より神秘性や皮肉が強調されており、「別の人格を持つ同一キャラ」として楽しめるほどです。

同様に、ヒミの声も日本語版ではあいみょんの柔らかく穏やかな声が印象的でしたが、英語版では福原かれんによって、より明瞭で意思の強さを感じさせるトーンに仕上げられています。

このように、同じキャラクターでありながら、声によって印象が大きく変わるというのも、『君たちはどう生きるか』をより深く楽しむためのポイントです。

一度観た方も、英語版を観ることでまた違った感情が芽生えるかもしれません。

日英両バージョンを比較してみるのも、宮崎駿作品の奥行きを感じるうえで、とても興味深い体験になるはずです。

君たちはどう生きるかの声優・キャラクターまとめ

映画『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿監督が描く壮大な世界観と深い哲学をもつファンタジー作品です。

その世界を支えるのは、精緻に描かれたキャラクターたちと、彼らに命を吹き込む豪華キャスト陣です。

ここでは、物語を語るうえで欠かせない声優とキャラクターたちを改めて総括し、その魅力を振り返ってみましょう。

作品の世界観を深める重要な存在たち

本作に登場するキャラクターたちは、単なる登場人物という枠にとどまりません。

それぞれが物語のテーマを体現し、「生きることとは何か」「喪失と再生」「家族との関係」といった深い問いかけを視聴者に投げかけています。

眞人というひとりの少年の成長物語に、サギ男の不思議な導き、ヒミの優しさと力強さ、夏子の葛藤、父・勝一の不器用な愛情が交錯しながら展開されていく構造は、まさにジブリ作品ならではの丁寧な人間描写の結晶です。

また、ばあやたちやペリカン、インコ軍団といった一見“異世界の住人”とも思えるキャラクターたちも、どこか現実と地続きであるような不思議なリアリティを持っています。

そうしたキャラの背景にある物語を想像するだけで、作品全体への理解が深まる構造になっているのです。

豪華キャストが織りなす宮崎駿ワールドの魅力

そして、それらのキャラクターたちを演じた声優陣もまた、この作品の魅力を支える大きな要素です。

山時聡真、菅田将暉、あいみょん、木村佳乃、木村拓哉、國村隼、火野正平、大竹しのぶ……

これほど多彩で実力派の俳優たちがそろった作品はそう多くありません。

とくに印象的なのは、俳優・ミュージシャンなど多様なバックボーンを持つ声優がキャスティングされている点です。

その結果、それぞれのキャラクターにどこか「人間味」や「奥行き」が生まれ、観る側にとって非常に親しみやすく、同時に奥深い存在となっています。

宮崎駿監督が長年にわたって築き上げてきた“ジブリらしさ”は、美しい映像表現や緻密な設定だけでなく、人間の心を映す声の演技によっても強く印象づけられてきました。

本作においても、その精神はしっかりと継承されており、一言一言に込められた感情やニュアンスが、物語の余韻をより深く残してくれます。

『君たちはどう生きるか』を語るうえで、キャラクターと声優の関係性を抜きにすることはできません。

彼らの声を通して伝わる想い、それこそがこの作品の根幹であり、私たち一人ひとりに「生きる」というテーマを静かに問いかけてくるのです。